サバイディー!(こんにちは)しろです。
バンビエンからルアンパバーンへ、鉄道で移動します。
2021年にラオス中国鉄道が開通し、移動がぐんと便利になりました。
ラオス中国鉄道が開通する以前のバンビエン⇔ルアンパバーン間の移動は、デコボコの悪路をバスで7時間乗り越えなければたどり着くことができませんでした。
現在はその区間を鉄道で約60分という短い時間で移動することができます。
ラオス中国鉄道は、ビエンチャン(ラオス)と昆明(中国)を結ぶ国際鉄道でしたが、
今年の2024年4月13日にルアンパバーン駅(ラオス)とシーサンパンナ駅(中国)を結ぶ路線も増えたようです。
席は満席。
添乗員は中国人で、乗客も半分ほどが中国人で他は欧米系の観光客が占めていました。
同じボックス席になった中国人のお兄ちゃんが、荷物を荷台に上げてくれて気遣いをしてくれたりとても優しい。
お兄ちゃん「バンビエンで君たちを見たよ。登山してたでしょ!」
心当たりがありすぎる。
よりによってあの泥だらけ登山だとは。
旅先で出会う中国人たち、会話をすると優しくて面白い人が多い気がする。
~東南アジア最後の桃源郷~
~シンと静まり返り、音がしない街~
読んだ本やブログ、出会った人々がこの街を絶賛しており、
わたしはルアンパバーンに来る事を心から楽しみにしていました。
憧れの街、ルアンパバーン到着後の印象は...
観光客で溢れかえっておるー!!!
観光客向けのお洒落なカフェやホテルが多い。
カフェやレストランから、にぎやかな音楽が流れています。
(音がしない街とは、、?)
(正直、首都のビエンチャンの方が静かだったかも、、?)
ナイトマーケットも大盛況です。
ラオスでは托鉢で集まった食料を生活で困窮した人に分け与えるので、物乞いがいないという話を聞いたことがあります。
...ですが、ナイトマーケットの入り口に物乞いの人が座っていました。
翌朝、托鉢(僧侶が鉢を持ち、街や村を歩いて人々から食事やお金の施しを受ける修行の一つ)を見学しに行きました。
メインストリートを歩くと、「托鉢でお供えする餅米とお菓子」の売り子がぐいぐい声をかけてきます。
断って速足で歩いてもついてくる。
並走しないでおくれー!!!
離れた場所から托鉢を見学させてもらいましたが、
お坊さんに至近距離でスマホやカメラを向けて撮影する観光客が多い。
そして道には落ちているゴミが目立ちます。
托鉢の時間が終わった頃、売り子に餅米を売りつけられました。
「大丈夫、いらないです。」と伝えたら、
馬鹿にしたような態度で現地語でおそらく悪口を吐き捨てて去っていきました。
托鉢の時間が終了し使用用途が無いものなのに。
逆にこのタイミングで買う人がいるのかいー?!
ルアンパバーンに到着してから、多少の違和感は感じていたのですが、
この一件後、悲しい気持ちが溢れてしまいました。
これがわたしの憧れていたルアンパバーンという街だったんだな。
訪れる前と、実際に目で見た現実とのイメージの乖離があまりにも大きすぎる。
この街への期待値が大きかった分、ダメージをくらってしまいました。
鉄道が開通し、ラオス各地へのアクセスが容易になり観光客が増えて、この街は変わってしまったのだろうか?
それともわたしの中でイメージを美化させていただけで、この街は昔から変わっていないのだろうか?
...そもそも、期待を膨らませすぎていたわたしが悪い。
読んでいたブログはかなり昔の記事も多く、最新の情報まで追えていなかったですし。
勝手に期待してガッカリして、身勝手だなと反省しました。
せっかく憧れの地に来たのだから、ルアンパバーンの良いところを探したい。
マイナスの感情のまま、この街を去りたくない。
ということで街に繰り出します。
約40もの寺院が点在しているルアンパバーンは、歩いていると頻繁に寺院に出くわします。
大きなお寺は常に観光客がいますが、
小さいお寺に入ると観光客はおらず、ゆっくりと見学することができます。
そして、どこの食堂や屋台に入ってもごはんが美味しすぎるのです。
ラオスの他の街と比べて、コッテリ濃いめの味付けで食欲をそそります。
観光も満喫して。
翌朝、托鉢僧に喜捨を行うことにしました。
メインストリートは観光客が多く集まりますが、一本外れた通りで現地の方が喜捨をしているようなので、その通りにてわたし達もスタンバイ。
オバチャンから、餅米入りの籠を購入します。
「お坊さん一人につき、これくらいの餅米を渡すのよ」
とレクチャーしてくれました。
(思ったよりも多めに餅米を渡すんだな...)
夜明けの静寂の中、お坊さんの隊列が前からやってきました。
お坊さんの持っている鉢に、餅米を入れていきます。
お坊さんたちは10人ほどのグループに別れて歩いてくるのですが、
オバチャン「ワンモア モンク(お坊さん)、カム!!」
次の列が最後かと思いきや、ワンモアが3回ほど続き、手持ちの餅米が無くなってしまい追加で2人分の餅米を購入。
お坊さんが正面まで来ているのに「もうお米が無いので渡せないですー!」と言う訳にはいかないし。
餅米を買わせる為に最初から多めの量を伝えているとしたら、オバチャン策士すぎる。
まあ、それはそれで仕方ないとして。
地元の方々はお坊さん一人一人に深く拝みながら、鉢に餅米を入れていました。
習慣をずっと続けている地元の方々の信仰深い姿を目の前にして、胸がいっぱいになりました。
ルアンパバーンでは、優しくて温かい人たちにたくさん出会いました。
食堂でお客さん同士(初対面)が「これが必要かな」と思った瞬間に、何も言わずに調味料やティッシュを渡し合ったり、座りやすいために席を移動してくれたり。
宿のオーナーとスタッフは言葉に思いやりが溢れていて、宿に帰るたびにほっとした気持ちになっていました。
商店の近くを通りかかったら、
「こっちにおいでー!ビール飲もうよー!!」と愉快な現地の方々が、お酒とごはんをご馳走してくれました。
ルアンパバーンはわたしの中で「ごはんが美味しい街」、「人が穏やかであたたかい街」という印象になりました。
この街に来た当初はオーバーツーリズムでの街の変遷に自分も加担しているのではないかと、訪れたことに罪悪感さえ感じていました。
けれども、ここには今この瞬間でしか見られない街並みが広がっていて。
変わらない街なんてきっとどこにも無くて、街も生き物と一緒なんだと思います。
ルアンパバーンに行くことができて良かった!